越後妻有里山現代美術館 の概要
新潟県十日町市にある「越後妻有里山現代美術館 MonET(Museum on Echigo‑Tsumari)」は、世界最大級の地域芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(ETAT)」の拠点です。2003年に「越後妻有交流館キナーレ」として建てられ、2012年に現代美術館となりました。
建築家・原広司による設計で、コンクリートの回廊と大きなガラス窓が開放的な雰囲気を醸します。中庭にはアルゼンチン出身のレアンドロ・エルリッヒが手がけた大きな水盤があり、建物と空の姿が水面に映り込む不思議な空間となっています。

常設展示は15点ほどで、浅井裕介やレアンドロ・エルリッヒ、イリヤ&エミリア・カバコフ、名和晃平など世界的なアーティストが参加しています。芸術祭の基本コンセプトである「人間は自然の一部」という思想のもと、土や植物を使った壁画や、古民家を再構築したインスタレーションなど、地域の気候や文化にインスピレーションを得た作品が多く、鑑賞者が体感しながら里山の魅力を味わえる点が特徴です。
越後妻有地域は高齢化や過疎化が進んでいますが、この芸術祭を通じて世界中の人々が訪れるようになり、地域再生のモデルとして注目されています。
2階の回廊には鏡のような水面と建築物が重なる撮影スポットもあり、建物そのものが作品として楽しめます。
大地の芸術祭のメインスポット

越後妻有里山現代美術館 MonETは、その独創的な建築デザインが大きな特徴となっています。美術館は一辺が72mの正方形をしており、中央は屋根のない吹き抜けとなっています。中庭には大きな池があり、鏡のように周囲を映し出します。2階の回廊から眺めると、水面に映る建物と実際の建物が重なる不思議な光景を写真に収められます。これはレアンドロ・エルリッヒによる≪Palimpsest:空の池≫という作品そのものです。美術館自体がアートとなり、来る人を楽しませてくれるのです。
展示室には土や植物で描いた壁画や古民家の記憶を再現したインスタレーションなど、地域の文化や自然をモチーフにした作品が並びます。体験型の作品が多く、子どもでも身体でアートを感じられると評判です。

1階のコミュニティスペースは、無印良品を展開する株式会社良品計画によってデザイン監修されました。ウッドテーブルが並び、木の温もりによって柔らかな雰囲気のオープンスペースとなっています。
越後妻有里山現代美術館の見どころ
日が暮れた後の美術館
明石の湯
アイスクリーム
楽しみ方・おすすめの過ごし方
東京からのアクセスが抜群なので、日帰り旅も叶います。朝は東京から約2時間で十日町へ。JR上越新幹線とほくほく線を乗り継ぎ、十日町駅から徒歩10分で美術館に到着します。
まずは中庭の池を2階回廊から眺め、建物と水鏡の不思議な重なりを楽しみましょう。常設作品をゆっくり鑑賞したら、コミュニティスペースでちょっとひとやすみ。ここでは季節のガレットやスムージーを味わうことができます。


ミュージアムショップでは、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」のアート作品をモチーフとしたグッズだけでなく、棚田米、日本酒、地元食材を使ったスイーツなど幅広い商品が展開されています。お土産にもおすすめですよ。
また、同じ敷地内には温泉施設「越後妻有交流館 明石の湯」も併設されています。開放的な空間で、ゆったりとした湯浴みを楽しめます。さらに温泉だけでなく、ドライサウナとスチームサウナが男女日替わりで提供されています。タオルやシャンプーリンスなど基本的なアメニティは揃っており、ベビーバスやベビーベッドの貸出もあるので赤ちゃん連れの方でも安心です。館内にはカフェ・ショップもあり、入浴客以外も無料で入場できます。カフェでは、ガパオライスや地元のソーセージ盛り合わせ、地元野菜の漬物などのフードメニューや、妻有ビールをはじめとするドリンクメニューが提供されています。越後妻有の雪下にんじんソフトクリームという変わり種も!


午後は越後妻有アートフィールドの別のスポットへ足を延ばしてみましょう。車で約30分の「清津峡渓谷トンネル《Tunnel of Light》」 では、全長約750mのトンネルを歩きながらV字峡谷の迫力を味わえます。2018年の芸術祭で五行をテーマに改装されたトンネル内には展望所があり、ステンレスパネルと水鏡が峡谷や森を映し出す「ライトケーブ」が特に人気です。季節ごとに新緑や紅葉、雪景色を楽しむことができます。
都会から離れ、里山に点在するアートに触れることで普段とは違う視点でものを見られるようになるーーそんな新しい旅のスタイルはいかがでしょうか。
基本情報
スポット名:越後妻有里山現代美術館 MonET
営業時間:10:00〜17:00(最終入館16:30) ※冬季は短縮営業になる場合あり
定休日:祝日を除く火・水曜、年末年始は休み。があります
料金:
- 常設展は一般1,000円、小中学生500円
- 企画展(常設展示含む)は一般1,200円、小中学生600円
- 団体割引あり。
駐車場:普通車約360台分の駐車場と大型バス用スペースがあり
備考:館内のショップやカフェの利用には入館料が必要です
アクセス
住所:〒948-0003 新潟県十日町市本町6−1−71 2
交通アクセス:
- 電車:東京からはJR上越新幹線とほくほく線を乗り継ぎ約2時間で十日町駅へ。金沢からは北陸新幹線経由で2時間半ほど。十日町駅から美術館までは徒歩10分。
- 車:東京からは関越自動車道経由で約3〜4時間。大阪からは北陸自動車道経由で約6時間。いずれも市内中心部から美術館までは約10分ほど。

展示物