霧幻峡と只見線撮影スポット

日本の原風景にタイムスリップしたような特別な体験

霧幻峡の概要

福島県奥会津の只見川をわたる小さな手漕ぎ舟の渡し船・霧幻峡の渡し。毎年4月下旬〜11月中旬にかけて運航し、約50年前に廃村となった金山町三更集落へ渡ることができます。特に6月〜8月の朝早くや夕方には幻想的な濃い霧に包まれ、まるで異世界に迷い込んだかのような幻想的な風景に出会えるスポットです。

かつては集落の生活の足として利用されていた渡し舟が現代に蘇り、その静寂な川面をゆっくりと進む舟旅は、日本の原風景にタイムスリップしたような特別な体験として注目を集めています。

 第一只見線撮影スポット

第一只見川橋梁ビューポイントとは、JR只見線の列車が只見川に架かる鉄橋・第一橋梁を渡る姿を眺められる絶景スポットです。只見線は会津若松駅(福島県会津若松市)と小出駅(新潟県魚沼市)をつなぐ総延長135.2キロの路線で、このビューポイントからは深い山あいを縫って流れる只見川と雄大な森に囲まれた鉄橋、その上をガタンゴトンと走る列車――まさに自然と鉄道が織りなす絵画のような風景を楽しめます。

観光地化されすぎていない静かな場所ですが、その美しさから近年は鉄道ファンや写真愛好家はもちろん、海外からの旅行者にも密かに人気です。

春の新緑、夏の濃い緑、秋の燃えるような紅葉、冬の銀世界と、季節ごとに全く違う表情を見せてくれるため、何度訪れても新鮮な感動がありますよ。

霧に浮かぶ廃村と絶景鉄道風景

「霧幻峡の渡し」最大の魅力は、やはり霧に包まれた幻想的な渓谷美です。特に初夏から夏にかけての早朝や夕方には白い霧が立ち込め、山々と只見川が霞む神秘的な光景に出会えます。エンジン音のない手漕ぎ舟に揺られながら耳に入るのは、水をかく櫂の音や川面を渡る風の音、そして鳥のさえずりだけ。まるで世界が静止したかのような静けさに包まれます。

45分の船旅を経て到着する旧集落跡には、300年にわたり人々が暮らしていた面影が今も残っています。山の神を祀る大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)や安産・子育ての守り神だった子安観音堂、朽ちかけた古民家や石垣、そして一時期村を支えた玉造硫黄鉱山の遺構などが、かつての記憶を宿すようにひっそりと佇んでいます。

近年、この地に残る地蔵尊や社寺はパワースポットとしても注目されており、霧幻峡でしか味わえない神秘的な空気と相まって特別な体験となること間違いありません。また、この場所は荒木飛呂彦氏の漫画原作を実写化したドラマ『岸辺露伴は動かない』のロケ地にもなりました。霧の中に浮かぶ茅葺き屋根の古民家「霧幻庵(むげんあん)」は作品の世界観そのままで、ファンにとってもたまらないスポットとなっています。

第一只見川橋梁ビューポイント

福島と新潟を結ぶJR只見線は「日本一美しいローカル線」と称されることもあるほど沿線風景が魅力。中でも、第一只見川橋梁の景観は多くの鉄道ファンを魅了する美しさがあります。

ビューポイントからは、眼下に只見川の深い渓谷、その上にアーチ状の鉄橋、背景には四季折々に色づく山並みが広がります。

列車の通る時間に合わせて訪れれば、のどかなディーゼル列車が鉄橋をゆっくり走る姿が見られます。川面に映る列車や木々のリフレクションも美しく、特に風の穏やかな日は鏡のような水面に逆さ橋梁が映り込みます。このスポットには展望箇所がいくつか整備されており、遊歩道を少し登ると橋梁を見下ろす迫力の構図が楽しめます。道の駅「尾瀬街道みしま宿」駐車場から歩いて5分というアクセスの良さもありつつも、人はそれほど多くないため、静かに絶景を堪能できる穴場と言えるでしょう。

霧幻峡と只見線撮影スポットの見どころ

大﨑庸平

体験プラン

大﨑庸平

お地蔵さん

大﨑庸平

霧幻峡の渡し

大﨑庸平

子安観音堂

大﨑庸平

写真スポット

大﨑庸平

船旅

楽しみ方・おすすめの過ごし方

霧幻峡と只見線の絶景を存分に楽しむには、早起きの旅程がおすすめです。夏場(6月~8月)であれば、朝日が昇る前に出発して霧幻峡へ向かいましょう。早朝の奥会津は空気が澄んでおり、移動中に空がゆっくりと茜色に染まる美しい朝焼けに出会えることもあります。

霧幻峡の渡し舟は7時以前の運航も可能ですが、ウェブ予約ができないため事前に電話予約が必要です。夜明け前の静寂の中、幻想的な霧に包まれた只見川を渡る体験は、この時間帯だからこその特別な思い出になるでしょう。舟旅ではぜひ五感を研ぎ澄ませて、霧のひんやりとした肌触りや水音、鳥の声に耳を傾けてみてください。上陸後は廃村の歴史について船頭さんから集落の歴史について話を伺うことができます。神社やお地蔵様に手を合わせ、パワースポットならではの神秘的な雰囲気に身を委ね、ゆっくりと散策してみましょう。当時の暮らしに思いを馳せながら歩くと、霧幻峡の風景がいっそう心深く染み渡ります。

舟での往復を終えたら、車で15分ほどの道の駅「尾瀬街道みしま宿」に立ち寄りましょう。8時に開店するこの道の駅では、地元の新鮮野菜やお土産を購入できるコーナーや、名物の蕎麦や丼ものをいただける食事処「桐花亭」、そして三島町特産の桐工芸品をみることのできる展示コーナーがあります。

道の駅の駐車場に車を停め、裏手のトンネル横から伸びる遊歩道を3~5分ほど歩くと、ビュースポットに到着します。第一只見川橋梁と列車を写真に収めたい場合は、事前に只見線の時刻表をチェックしておきましょう。列車は1~2時間に1本程度と本数が少ないため、狙い目の時間に合わせて訪れるのがおすすめです。(最新の列車通過時間はJR東日本のホームページからご覧いただけます)列車通過時、列車は速度を落としてくれることもあり、ゆっくりと風景を楽しめます。シャッターを切る際は、ぜひ只見川に映る列車の姿も一緒に収めてみてください。なお、ビューポイントは特に柵などはない山の斜面ですので、歩きやすい靴で行き、高所では足元に十分注意しましょう。

体験プラン

また、霧幻峡では季節限定の体験プランも開催されています。例えば5月上旬~10月中旬の期間限定で、貸切舟の上で朝食を楽しむ「水上の贅沢朝時間」プランがあります。朝霧ただよう只見川の上で淹れたての地元焙煎コーヒーと奥会津の旬菜を使った特製朝食を味わうひとときは格別です。静寂な川面で朝日に染まる景色を眺めながらいただく朝食は、心が洗われるような贅沢な時間になるでしょう。通常より30分長い75分間の船旅となっています。

また、奥会津の妖怪伝説に触れる1泊2日のユニークなツアーも企画されています。地元の語り部による妖怪昔話に耳を傾け、河童伝説が残る温泉宿に泊まり、翌朝に霧幻峡の舟旅で霧の中のお地蔵様と対峙するといった内容で、奥会津ならではのディープな体験ができます。こうした特別企画に参加すれば、霧幻峡の魅力をさらに深く味わえることでしょう。

基本情報

スポット名:霧幻峡の渡し(早戸船着き場)

運航期間:4月下旬~11月中旬頃(冬期は休業)

運航時間:7:00~日没まで(※7:00より前の乗船は要電話予約)

料金: 

・周遊プラン(乗船のみ、約45分)2名まで6,000円、3名以上は1名につき3,000円

・散策付プラン(上陸あり、約90分)2名まで12,000円、3名以上は1名につき6,000円

定員: 1艘あたり最大6名(舟は3艘あり)※基本的に貸切での運航

問い合わせ・予約:金山町観光物産協会(0241-42-7211〔平日〕/0241-54-2855〔土日祝〕)

アクセス

〒969-7406 福島県大沼郡三島町早戸字堂ノ前19(JR早戸駅そば)

  • 車の場合:磐越自動車道 会津坂下IC(会津柳津IC)から国道252号経由で約35分。
  • 公共交通の場合:JR只見線 「早戸駅」下車 徒歩3分。

  • スポット名:第一只見川橋梁ビューポイント 
  • 営業時間:常時開放 ※夜間照明等はありません
  • 料金:見学自由・無料
  • 備考:ビューポイントへ登る遊歩道は舗装されていますが一部勾配があります。冬季は積雪のためアクセス困難になる場合があります。
  • 問い合わせ:三島町観光協会(0241-48-5000)
  • 公式サイト:https://www.town.mishima.fukushima.jp/site/kankou/4242.html

 〒969-7402 福島県大沼郡三島町川井字天屋原610(道の駅尾瀬街道みしま宿付近)

  • 磐越自動車道 会津坂下ICから車で約20分(道の駅尾瀬街道みしま宿に駐車場あり・約130台)
  • JR只見線 会津宮下駅から徒歩約45分(タクシーや季節運行の町営バスも利用可)。
  • 道の駅からビューポイント入口までは徒歩約5分

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