霧幻峡と只見線撮影スポット
日本の原風景にタイムスリップしたような特別な体験
会津の旬を味わう、歴史ある料亭
会津若松市七日町の中心に建つ渋川問屋は、1882年(明治15年)に渋川善太郎が創業した海産物問屋の建物を活用した和食店/カフェです。
当時は北海道から運ばれる鰊や鱈などを扱い、「鰊の値段は渋川問屋で決まる」と言われるほど繁盛したと伝わります。全盛期の大正期から昭和初期には約50名もの従業員が暮らし、肥料や酒、調味料なども取り扱う総合商社的な役割を果たしていました。
1975年(昭和50年)に卸売市場の開設に伴い問屋業を畳みましたが、4代目当主が1982年に建物を保存して郷土料理を提供する店として再生。渋川問屋は明治から昭和初期までに建てられた歴史的建築群で、会津若松市から歴史的景観建造物に指定され、福島県建築文化賞も受賞しています。敷地内には昭和初期の政治事件「二・二六事件」で処刑された渋川善助の部屋「憂国の間」が保存され、松本清張や三島由紀夫も訪れたと伝わるなど、時代の記憶を今に伝えています。
大正ロマンを感じさせる空間で、会津の先人たちが育んだ滋味豊かな山海料理をいただきましょう。

大正ロマンを感じさせる空間で、会津の先人たちが育んだ滋味豊かな山海料理をいただきましょう。
創業140年以上の歴史を持つ元海産物問屋の建物でいただく食体験は、まさに大正ロマン漂う非日常。店内に一歩足を踏み入れると、懐かしい囲炉裏や帳場、重厚な梁、欄間や格子窓が出迎えてくれます。
渋川問屋でいただける料理は会津の郷土料理が中心で、祝い膳に欠かせない具だくさんの汁物「こづゆ」や、昆布に巻いた鰊を甘辛く煮た「にしんの昆布巻き」、干し鱈を柔らかく煮含めた「棒だら煮」など、会津の家庭の味が楽しめます。旬の食材を使った会津の定番料理も豊富で、会津塗の器とともに提供されるため、目でも舌でも楽しめます。
店内には趣の異なる8つのお部屋がありますが、いずれも椅子席なのでお身体の不自由な方でも安心です。また、バウンサーなど子育てグッズの貸出、キッズメニュー(2日前まで要予約)の提供など、子連れにも優しいお店です。
食後は、敷地内にある「喫茶開化」へも立ち寄ってみましょう。色とりどりのステンドグラスや大正モダンの凝った装飾で囲まれた、ロマネスク調の洋館のようなカフェです。例年6月には中庭のバラが見頃をむかえ、バラの香りに包まれながらのティータイムを楽しむことができます。
メニュー表
中庭
食事
渋川問屋が建つ七日町通りは、かつて日光道・越後道・米沢道が合流する城下町の西口として栄え、大正期の洋風建築が残るレトロな通りです。
会津若松駅からまちなか周遊バスもしくはJRに乗って「七日町駅」下車後、みそ田楽の食べ歩きや、酒蔵「末廣酒造」の見学、会津木綿や会津絵ろうそくのお店でお買い物など、レトロな街歩きを存分に楽しみましょう。
昼食は渋川問屋で会津の郷土料理を味わいましょう。予約は必須ではありませんが、予約状況によって閉店時間が早まることもあるので、事前予約をおすすめします。会津若松の奥座敷・東山温泉で、江戸時代から歌と踊りを受け継ぐ東山芸妓・からり妓さんによる白虎隊をテーマにした舞踊を楽しみながら、ランチをいただくこともできます(1人/45分間 15,000円)。
ランチのあとは「喫茶開化」でほっと一息。月替わりのスペシャルティコーヒーや和紅茶、揚げ饅頭にあんを詰めた会津名物「揚げまんじゅう」が人気。「お好きなドリンク」と「ひと口あげまんじゅう」がセットになったカフェセット(880円)を楽しみながら、タイムスリップしたような優雅なひとときを過ごしましょう。
渋川問屋はディナータイム(17:00〜21:00)も営業しています。ランチとメニューは共通。女将おすすめは満腹になること間違いなし、贅沢な12品コースの「祭り御膳「亀」」です。ニシンの昆布巻・ニシンの天ぷら・こづゆなど定番の会津料理に加え、会津牛ステーキと北海道産の紅鮭の手まり寿司がついてくる贅沢なコースです。さらに、会津の地酒やご当地ジュースも豊富に取り揃えていますよ。
渋川問屋を訪れたなら、ぜひ鶴ヶ城や白虎隊の墓がある飯盛山、さざえ堂などの観光地へも足を伸ばしてみましょう。
営業時間:年中無休
・ランチ11:00〜15:00(入店14:30まで)
・ディナー17:00〜21:00(入店19:00まで)
事前予約:予約をおすすめします。キッズメニューは2日前まで要予約。
住所:〒965-0044 福島県会津若松市七日町3-28
・アクセス:
風情ある外観