酒の宿 玉城屋

清水園

光と自然が織りなす幻想アート空間

清水園の概要

清水園は新潟県新発田市にある江戸時代の大名庭園で、国指定名勝にも指定されています。その歴史は古く、1598年に藩主・溝口秀勝によって築園が始められたという記録があります。もともと新発田藩主・溝口家の下屋敷に作られ、幕府の茶道指南役・縣宗知を招いて純京都風の回遊式庭園が造られたそうです。

中央の大池は草書体の「水」の字を象った形で、周囲には5つの趣ある茶室が点在します。新発田川沿いの多湿な環境のおかげで庭内には青々とした苔が茂り、苔を主体とした庭園「苔庭」としても知られています。特に秋には苔の緑と紅葉が織りなす風景が幽玄な趣を醸し出し、多くの人を魅了してきました。

清水園の見どころ

清水園の庭園は湿度が高く苔が生い茂り、園内は静寂に包まれ、特に早朝や雨上がりには幻想的な風景が広がります。鮮やかな緑の苔と色づくモミジ、池に映る書院や茶室の佇まいなど、どこを切り取っても絵になると、カメラを構える観光客も多く訪れます。春のサツキや初夏のアヤメなど四季折々の草花が庭園を彩り、どの季節に訪れても美しい光景が楽しめます。秋の紅葉シーズン(例年11月中旬)には夜間ライトアップが行われ、池に映るモミジの景色がいっそう幻想的になります。

現在園内にある「桐庵」「夕佳亭」「同仁斎」「翠濤庵」「松月亭」の5つの茶室は、昭和に、京都の銀閣寺の庭園修復などを手がけた柏崎出身の名庭師・田中泰阿弥によって建立されたものです。残念ながら通常は内部を見学することができませんが、イベント時などには開放されることもあります。

清水園では庭園だけでなく周辺の歴史的建造物も見どころです。園内にある郷土資料館では新発田藩関係の資料や地元の考古民俗資料、忠臣蔵・堀部安兵衛に関する展示を見ることができ、新発田の歴史を学べます。また郷土資料館には県指定重要民俗文化財である新発田まつりの山車「喧嘩屋台」や堀部安兵衛関連の資料も展示され、地域の伝統文化を知ることができます。この郷土資料館自体も、かつて米を貯蔵していた土蔵で、その佇まいからも歴史を感じられます。

庭園の東側には江戸時代末期の足軽長屋が復元保存されており、素朴な造りから当時の足軽の生活を垣間見ることができます。また、駐車場脇には旧新発田城下町の武家屋敷「石黒邸」があり、入場無料で武家の邸宅の雰囲気を気軽に楽しめます。清水園を訪れたら、併せて歴史的建造物を巡ることで、当時の暮らしぶりや城下町文化に触れることをおすすめします。

大﨑庸平

清津峡トンネル

大﨑庸平

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外観は白黒のコントラストが美しいです。春には桜、秋には紅葉も楽しめます。

楽しみ方・おすすめの過ごし方

清水園を訪れたら、ぜひ「書院」からお殿様と同じ目線で美しい庭園を眺めてみましょう。書院(清水谷御殿)は3代藩主の時代に建てられた建物で、幕府に対する政治的配慮から質素な装いとなっています。書院の縁側越しに庭園全体を眺めることができ、ここからの眺めは、園内唯一の全望を見渡すことができるビューポイントです。書院の南側には池泉があり、広縁には「横額障子」と呼ばれる横長のガラスが入ったガラス障子が用いられています。なんとこれは、正座したときにちょうど切り取られた庭園を眺められるように設計されたものです。

回遊式庭園とは、園内を歩いて巡りながら鑑賞する庭園のこと。清水園は歩くことで次々と景色の変化を感じることができます。庭園にはさまざまな技巧が散りばめられています。例えば近江八景を巧みに取り入れることにより庭園の景色に遠近感が生まれています。また、池の中には、南西部の岩島・南東の亀島・北西部の中島があり、石橋で結ばれています。順路通りに進むと、岩島の数が2つから3つに変化するという不思議な体験ができます。

このように、書院に座って景色を静かに眺める「動かない鑑賞」と、池の周りをゆっくり歩きながら景色の変化を楽しむ「回遊する鑑賞」の両方を体験することで、清水園の魅力を最大限に感じることができるでしょう。

清水園の駐車場は普通車約20台(大型バス可)分と広くありませんので、紅葉の時期などは早めの到着がおすすめです。なお、清水園は冬季も通常営業しますが、年末(12月27日~12月31日)は休園になるのでご注意ください。

清水園周辺には城下町の風情が残る新発田城跡(城山公園)や武家屋敷跡、足湯のある月岡温泉街など、見どころある観光名所が点在しています。また車で15分ほどの道の駅「加治川」には地元農産物を扱う直売所や人気のベーカリーがあり、桜の名所としても知られています。ぜひ併せて訪れてみてください。

基本情報

スポット名:清水園

営業時間:
・3〜10月:9:00〜17:00
・11〜2月:9:00〜16:30

休園日:毎週火曜(祝日の場合翌日休)、年末(12/27頃~12/31)

料金:大人700円、小中学生300円

アクセス

住所:〒957-0056 新潟県新発田市大栄町7丁目9-32

アクセス方法:
・電車:JR白新線新発田駅から徒歩約7分
・車:新潟東北道聖籠新発田ICから約10分

駐車場:普通車約20台(大型バス可)

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