清津峡の概要
新潟県十日町市にある「清津峡」は、黒部峡谷や大杉谷と並ぶ日本三大峡谷のひとつです。清津川を挟むようにV字に切り立った巨大な岸壁。その壁に並ぶ「柱状節理」と呼ばれる六角形の岩柱が特徴的な景観を作り出しています。
古くから温泉湧出地として知られ、1862年には地元で温泉場が開かれました。1941年には国の名勝・天然記念物にも指定され、多くの人々を魅了してきた場所です。
かつて清津峡では川沿いに遊歩道が整備され、柱状節理を間近に見られる散策ルートがありましたが1984年の大規模な雪崩で遊歩道が閉鎖。そこで1996年に整備されたのが、全長750メートルの「清津峡渓谷トンネル」です。このトンネルは安全に峡谷美を楽しむための歩道トンネルとして造られ、生まれ変わりました。
中国出身の建築家マ・ヤンソン率いるMAD Architectsが手がけたこの光のトンネルによって、清津峡は新たな幻想的アート空間として注目を集めています。
清津峡の見どころ
「清津峡渓谷トンネル」は、エントランス施設+トンネル内のアートインスタレーション+峡谷の自然美の3つで構成されています。
エントランス施設「ペリスコープ」にはお土産ショップと足湯があり、2階の円錐形天井に開いた小窓からは清津峡の自然を望むことができます。
全長750mのトンネルは潜水艦に見立てられており、トンネル途中の見晴らし所と、最奥のパノラマステーションで作品が展開されています。自然の「5大要素」(木、土、金属、火、水)を利用したアーティスティックな空間が、人間と自然の関係を改めて考え直すきっかけとなることを狙って作られたそう。
トンネルの最奥部「パノラマステーション」は、床に張られた水に清津峡の雄大な風景が浮かび上がります。透明度の高い清津川と岩壁、周囲の緑や紅葉、そして、自分のシルエットが幻想的に映し出され、思わずシャッターを切りたくなる写真撮影の名所です。
清津峡のお土産屋さん
光が生み出すユニークな空間の清津峡トンネル
エントランス施設にある足湯
清津峡は季節ごとにまったく違う表情を見せるのも魅力です。
特に夏は夏はトンネル内が平均21〜24℃と快適な涼しさで、冷たい川に足を浸して涼む「清流遊び」も楽しめます。
楽しみ方・おすすめの過ごし方
清津峡渓谷トンネルは片道約750メートル、往復40分ほどで回れます。歩きやすい靴でお出かけください。パノラマステーションでは水辺に入って撮影できるので、濡れてもよい靴・服装やタオルの用意があると安心です。トンネル内は薄暗い場所もあるため、足元や手すりに気をつけながら進みましょう。
早朝や平日の午前中は比較的空いており、ゆっくり鑑賞できます。紅葉シーズンやゴールデンウィーク、お盆など混雑が予想される期間は、公式サイトで事前予約をしておくと安心です。駐車場が満車になることもあるので、できれば午前早めの到着を目指しましょう。
見学後は、エントランス施設にある足湯で旅の疲れを癒すのがおすすめです。
また、地域一帯に点在する「大地の芸術祭」のほかのアート作品、清津峡の渓流を眺めながらの露天風呂を楽しめる「清津峡湯元温泉 清津館」、喉越しのツルッとした名物「へぎそば」をいただける蕎麦店、そして十日町ならではの棚田の風景など周辺観光地を巡るとより充実した旅になるでしょう。


基本情報
・営業時間:3月~11月 8:30~16:30(最終入坑17:00)、12月~2月 9:00~15:30(最終入坑16:00)
※冬季は荒天時休業の場合あり。
・入坑料:ハイシーズン(4/21~11/20)大人1,200円、小人(小中学生)500円
オフシーズン(11/21~4/20)大人1,000円、小人(小中学生)400円
※未就学児・障がい者手帳所持者無料
公式サイト:https://nakasato-kiyotsu.com/
アクセス
住所:新潟県十日町市小出癸2119-2
・公共交通:JR上越新幹線「越後湯沢駅」から十日町市営バス(森宮野原行き)乗車(約30分)→「清津峡入口」下車→徒歩(約20分)




清津峡トンネル