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【会津】春の桜おすすめスポット6選

春になると福島・会津一帯はやわらかな桜色に包まれ、まるで日本の原風景がよみがえったような美しさを見せます。本記事では、会津を訪れるなら絶対に見てほしい厳選6つの桜スポットをご紹介。それぞれの景観に寄り添う、近隣のおすすめ旅館情報もあわせて掲載しています。

星葵

株式会社 Hinotori

星葵

こんにちは!私は福島生まれ福島育ち、旅行会社で働くあおいです。
「大好きな福島をもっと多くの人に知ってほしい」──そんな思いで、今回は霧幻峡の魅力をお届けします。

1.鶴ヶ城

鶴ヶ城は会津若松市の象徴的な城郭で、特徴的な赤瓦の天守閣が目を引きます。園内にはソメイヨシノを中心に約1,000本の桜が植えられており、「日本の桜名所100選」にも選ばれているため、春には市街地全体が桜色に包まれる人気スポットです。

桜の見どころは多彩です。二の丸周辺に続く桜のトンネルや、石垣越しに見上げる満開の姿、そして日没後に行われるライトアップでの幻想的な夜桜は特に人気があります。ライトアップ期間中は本丸芝生広場が期間限定で開放されることや、帯郭エリアでスマートフォンで色を変えられる演出(My Light)が実施される年もあり、昼夜で異なる表情を楽しめます。観光情報やライトアップの実施日程は毎年変動するので、最新の開催情報をご確認ください。

アクセスと観覧のコツ

  • アクセス:会津若松駅からまちなか周遊バスやタクシーでのアクセスが便利。城の周辺は徒歩で回りやすく、撮影ポイントが点在しています。
  • 混雑回避:ピーク時(見頃の週末夕方〜夜)は混雑するため、朝の早い時間帯や平日の午前中を狙うとゆっくり撮影できます。
  • 撮影ポイント:天守を正面に入れる引きの写真、二の丸の桜トンネルを歩く構図、堀に映る逆さ桜(風の穏やかな朝)が定番のおすすめです。
  • 防寒・服装:4月でも朝晩は冷えることがあるため、羽織れる上着があると快適です。

スポット詳細

スポット名:鶴ヶ城
住所:〒965-0873 福島県会津若松市追手町1-1
周辺のおすすめ旅館:鶴我東山総本山

2.湯野上温泉駅

茅葺き屋根の駅舎としては全国的にも珍しく、珍しい茅葺屋根の駅舎を有する会津鉄道の駅として知られる「会津湯野上温泉駅」。春になると駅前や周囲の山々に桜が咲き、昔話に出てくるような素朴な景観が広がります。待合室には囲炉裏が設えられていて、乗客が自由に腰掛けて休憩できるつくり。素朴な木の香りと、地域ならではの温かさを感じられる小さな駅です。
桜と茅葺き屋根、そして背後に広がる山肌のピンク色がひとつの風景としてつながり、特に午前〜午後の斜光が差し込む時間帯は写真映えする柔らかな色合いになります。

湯野上温泉駅にしかない雰囲気で、地元で一番お気に入りの駅です。

鉄道ファンにも長年人気の理由は、ローカル線ならではの情緒ある一枚が撮れる点。

  • 桜の向こうからゆっくり入線してくる会津鉄道の車両
  • 駅舎を包むように咲く桜の前を走る列車
  • ホームに差し込む夕暮れのオレンジ色と桜の影

など、時間帯ごとに異なる雰囲気を楽しめます。駅周辺には小さな散策道もあり、駅から少し歩くだけで桜と渓谷の両方を楽しめるのも魅力。近くを流れる大川(阿賀川)沿いの景色と一緒に巡ると、春の南会津らしいのどかな風景を堪能できます。

スポット詳細

スポット名:湯野上温泉駅
住所:〒969-5206 福島県南会津郡下郷町湯野上大島乙
周辺のおすすめ旅館:藤龍館

3.桜峠

裏磐梯(北塩原村)を代表する桜の名所「桜峠」は、広大な丘陵地に 約3,000本ものオオヤマザクラ が植えられた大規模な桜群生地です。植樹は2000年代に始まり、「未来を担う子どもたちへ美しい景観を残す」ことを目的に、地域の人々の手によって1本1本丁寧に植えられたもの。現在では裏磐梯を象徴する春の風景として、県内外から多くの人が訪れます。

桜峠の特徴は、なんといっても“視界いっぱいに広がる桜の波”のような景観。オオヤマザクラは濃いめのピンク色が特徴で、遠くから見ても丘一面がほんのり赤みを帯びて染まっているように見えます。ソメイヨシノよりも色が深く、裏磐梯の大自然の中で存在感のある春景色をつくり出します。

丘陵地に続く散策路は歩きやすく、どこから眺めても桜が立体的に見えるため、写真撮影にも絶好のスポット。

  • 丘の下から見上げて“桜の壁”のように撮る構図
  • 高台から桜の海が広がる全景を撮る構図
  • 桜越しに磐梯山を収めるランドスケープ写真

など、角度を変えるだけでまったく違った表情が楽しめます。
人が多いのは主に週末の満開期ですが、敷地が広いため混雑を感じにくく、ゆったり撮影できるのも魅力。朝の柔らかな光や夕方の赤みのある光も美しく、長時間滞在しても飽きのこないスポットです。

スポット詳細

スポット名:桜峠
住所:〒966-0402 福島県耶麻郡北塩原村大塩
周辺のおすすめ旅館:LAKE SIDE HOTEL MINATOYA

4.観音寺川

猪苗代湖にほど近い「観音寺川」は、川沿いに約1kmにわたりソメイヨシノを中心とした桜並木が続く、県内でも人気の高い花見スポットです。両岸の桜が川へ向かって枝を伸ばすため、満開の時期にはまるで桜のアーチの中を歩いているような景観が楽しめます。川幅が比較的狭く、流れが穏やかなため、水面に映り込む桜や、花びらがゆっくりと流れていく様子も風情たっぷり。

川のせせらぎと光に浮かぶ桜の競演は、訪れる人を静かに包み込むような魅力があります。

また、観音寺川は周囲に開けた場所が多く、背景に磐梯山を望めるポイントがあるのも特徴。晴れた日には残雪の山と淡い桜色が重なり、春らしい爽やかな風景が広がります。夕暮れ時になると川面が橙色に染まり、桜の陰影がよりくっきりと浮かび上がり、時間帯ごとに違う美しさを見せてくれます。散策路が整備されているため歩きやすく、家族連れや写真愛好家にも支持されるスポットです。

スポット詳細

スポット名:観音寺川
住所:〒969-2663 福島県耶麻郡猪苗代町川桁上川原83
周辺のおすすめ旅館:沼尻高原ロッジ

5.石部桜

会津若松市に立つ「石部桜」は、樹齢約650年ともいわれるエドヒガンの一本桜。会津地域で最も古い桜のひとつに数えられ、大河ドラマ『八重の桜』のオープニングにも出てきた桜。会津を代表する桜の一つとして親しまれてきました。桜は田んぼの真ん中にぽつんと立っており、背景を遮る建物がほとんどないため、枝ぶりの美しさがどの角度からも存分に堪能できます。大きく四方に張り出した枝は、幹の力強さとともに長い年月を生き抜いてきた歴史を感じさせ、“一本で景色をつくる桜”と称されるのも納得の姿。満開時には淡い紅色の花が木全体をやわらかく包み込み、古樹ならではの品格が漂います。

特に人気なのが、時間帯によって表情が大きく変わる点。早朝、山並みから差し込む柔らかな光に照らされる姿は静謐そのもので、周囲の田んぼに残る朝露が桜の色をより際立たせます。一方、夕暮れ時には西日が花をあたたかく染め上げ、背景の空が少しずつ群青へ変わるなかで浮かび上がるシルエットが格別。写真愛好家から“会津の春を象徴する一枚が撮れる場所”として高く評価される所以です。

アクセスしやすく、周囲を歩きながらゆっくり鑑賞できる環境も整っているため、初めて会津の桜を訪れる方にもおすすめできる名木です。

スポット詳細

スポット名:石部桜
住所:〒965-0003 福島県会津若松市一箕町八幡石部
周辺のおすすめ旅館:いろりの宿 芦名

6.日中線しだれ桜並木

旧国鉄「日中線」の廃線跡を利用して整備された約3kmの遊歩道に、1,000本以上のしだれ桜が連なる喜多方市屈指の桜名所。トンネルのように垂れ下がった枝が頭上を覆い、満開の時期には淡いピンク色のヴェールの中を歩いているような、ほかにはない“しだれ桜の回廊”を体感できます。桜は年月を重ねた木も多く、枝振りが大きく広がるため、並木が続く距離の長さと相まって圧倒的な迫力に。歩くたびに枝の隙間からこぼれる光が揺れ、風にそよぐ花房が影を落とし、まるで景色そのものが呼吸しているような臨場感があります。

旧日中線の面影を残す「SL展示館」周辺には当時走っていた車両が保存されており、鉄道の歴史と桜の美しさを同時に味わえるのもこの場所ならでは。レールが残された区間もあり、桜越しに線路を眺めると、どこか懐かしいレトロな空気が漂います。見頃は例年4月中旬〜下旬とされ、多くの桜スポットよりやや遅め。喜多方市街地に近くアクセスしやすいため、観光と組み合わせた桜巡りにも最適です。

スポット詳細

スポット名:日中線しだれ桜並木
住所:〒966-0896 福島県喜多方市押切東22
周辺のおすすめ旅館:不動館 小谷の湯

まとめ

朝焼けに染まる一本桜、川面に揺れる花影、鉄道と桜が描くノスタルジックな風景。
どの場所も、あなたの旅の記憶に深く残る“春の物語”となるはずです。
次の日本旅行では、ぜひ会津へ。心に残る、静かで美しい桜の季節があなたを待っています。