冬の日本に訪れたら外せないのが、ウィンタースポーツ。広大な雪景色を眺めながら滑るスキーやスノーボードは、この季節ならではの特別な体験です。
本記事では、福島県・会津エリアで冬を楽しむために知っておきたいスキーシーズンの目安をはじめ、おすすめのスキー場6選、さらにスキー旅行とあわせて利用しやすい近隣の宿泊施設についてご紹介します。初めて日本でスキーを楽しむ方にも分かりやすくまとめています。
会津エリアでスキーを楽しむ魅力

会津の冬と雪の特徴
福島県西部に位置する会津エリアは、冬になると日本有数の積雪に恵まれる地域です。
また、会津の冬は単に雪が多いだけでなく、自然の景観と静けさも大きな魅力。都市型リゾートに比べると周囲は落ち着いた雰囲気で、雪に覆われた山林や澄んだ空気の中で、ゆったりとスキーやスノーボードを楽しむことができます。
会津の雪の特徴としてよく挙げられるのが、水分量が比較的少なく、軽さを感じやすい雪質です。とくに標高の高いスキー場が多い南会津や裏磐梯エリアでは、気温が低く保たれやすく、滑走コンディションが安定しやすい傾向があります。スキーを楽しんだ後には、古くから湯治場として親しまれてきた温泉地が点在しているのも会津ならではの楽しみです。冷えた身体を温泉で癒し、地元の食材を使った料理を味わう——こうした「冬の滞在そのもの」を楽しめるのが、会津エリアのスキー旅行の特徴と言えるでしょう。
会津でスキーを楽しむための基本情報
会津エリアのスキー場を利用するにあたって、事前に知っておくと安心な基本情報をまとめました。初めて日本でスキーを楽しむ方や、地方エリアを訪れる方は、ぜひ参考にしてください。
基本情報
スキーシーズンの目安
会津エリアのスキーシーズンは、例年12月下旬から3月中旬頃が目安とされています。
積雪量や気温は年によって変動するため、実際の営業期間やコース状況は、訪問前に各スキー場の公式情報を確認することをおすすめします。
レンタルと装備
多くのスキー場では、スキー・スノーボード用具やウェアのレンタルが用意されています。
そのため、初めての方でも手ぶらに近い形でスキーを楽しむことが可能です。ただし、サイズや数量には限りがあるため、繁忙期は事前確認をしておくと安心です。
アクセスと移動手段
会津エリアのスキー場は、山間部に位置しているところが多く、レンタカーを利用すると移動しやすいのが特徴です。 公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅からバスやタクシーを乗り継ぐ必要があり、本数が限られることもあります。
冬季は道路状況が変わりやすいため、移動には余裕を持った計画が重要です。また、雪道や凍結路面に対応するため、お車でお越しの際は、スタッドレスタイヤの装着またはタイヤチェーンの携行・装着が必須となります。雪に慣れていない方は、公共交通機関の利用もご検討ください。
それではここから、会津エリアで特におすすめしたいスキー場を5つご紹介します。
1.星野リゾート ネコマ マウンテン

星野リゾート ネコマ マウンテンは、全33コース、13基のリフトを有する会津エリア屈指のビッグゲレンデです。百名山「磐梯山」系に連なる猫魔ヶ岳の北側と南側に、それぞれ異なる表情のゲレンデが広がっています。
緩やかな初心者向けコースから、ロングコース、急斜面、パウダー、コブ、バンクドコースまで、33コースはいずれも個性豊か。2025-26シーズンにはツリーランゾーンも新たに加わり、さらに多彩な滑りを楽しめます。


北エリアは標高1,000mを超え、斜面が北向きであることから、降り積もった雪が比較的融けにくい環境にあります。パークエリアも充実しており、初心者から上級者まで段階的に挑戦できる「ステップアップパーク」を設置。
さらに、国際大会が開催される20m級キッカーを備えた「グローバルパーク」や、人工地形を連続して滑れるロングラインのパークなど、幅広い層が楽しめる構成となっています。

ゲレンデでの食事も楽しみのひとつです。南エリア中腹に位置する「The Rider’s」では、ハンバーガーを中心としたメニューを提供しており、2025-26シーズンにはレシピを見直し、内容をリニューアル。
そのほか、「磐梯食堂」「猫魔食堂」では、カレーやラーメン、ソースカツ丼、塩カツ丼など、しっかりと食べたい方に向けたメニューが揃っています。軽食やクレープなど、手軽に楽しめるフードも用意されています。

レンタルサービスも整っており、スキーやスノーボードを初めて体験する方には、用具一式が揃う「手ぶらレンタルセット」が利用可能です。板・ブーツ・ウェアに加え、ニット帽やゴーグル、グローブが付属します。
また、大人向けスノーボードでは、BurtonのSTEP ON®ビンディングを採用しており、装着のしやすさを体験できます。ショップも併設され、現地で用具やアイテムを購入することも可能です。
スキー場の広さ、施設の充実度共に最高の環境が用意されています。

アクセスは、車・電車・バスツアーなど、旅行スタイルに応じて選択できます。
首都圏から南エリアまでは約3時間半。車の場合は東北自動車道・磐越自動車道を利用し、磐梯河東インターチェンジから約15分と比較的スムーズです。新幹線利用の場合は郡山駅から路線バス、または磐梯町駅からの無料シャトルバスを利用できます。
周辺には、裏磐梯をはじめ、会津若松、猪苗代、磐梯熱海など、立ち寄りやすい温泉地が点在しています。スキーの後に温泉で身体を休めることができるのも、このエリアならではの魅力です。
(写真引用:公式HP https://www.nekoma.co.jp/より)
スポット詳細
スポット名:星野リゾート ネコマ マウンテン北エリア(旧猫魔スキー場)
住所:〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原猫魔山1163
周辺のおすすめ旅館:沼尻高原ロッジ
2.グランデコスノーリゾート

裏磐梯エリアに位置するグランデコスノーリゾートは、標高約1,000mを超える高地に広がるスキー場です。冬は気温が低く、安定した積雪に恵まれるため、東北の中でも雪質の良さに定評があります。晴れた日には、磐梯山や裏磐梯の自然を望みながら滑ることができ、開放感のある滑走が楽しめます。

ゲレンデは約58ヘクタールの広さを持ち、最長滑走距離は約4,500m。初級者向けのなだらかなコースから、中・上級者が満足できる変化のある斜面まで、レベルのバランスが取れた構成です。ロングコースをゆったりとクルージングしたい方にも、技術を磨きたい方にもぴったりです。
コースの多くは自然の地形や林間を活かしたレイアウトが特徴です。ブナ林の中を滑るコースや、景色を楽しめるワイドバーンなど、裏磐梯ならではの雰囲気を感じながら滑走できます。リフト・ゴンドラは高速タイプが整備されており、山頂付近までスムーズにアクセス可能。移動に時間を取られにくく、滑走時間をしっかり確保できるのも魅力のひとつです。
静かな裏磐梯ならではの、上質な雪とロングクルージングが最高です。

また、スキー・スノーボードスクールやレンタルサービスも充実しており、初心者や久しぶりに滑る方でも安心して利用できます。宿泊施設が隣接しているため、移動の負担が少なく、ゆったりとしたスキー滞在を計画しやすい点も特徴です。
アクセスは、車の場合は猪苗代磐梯高原ICから約30分。公共交通機関では、JR猪苗代駅からのシャトルバスを利用できます。観光地としても人気の裏磐梯に位置しているため、スキーとあわせて周辺観光を楽しむ拠点としても適しています。

グランデコスノーリゾートでの食事は、マウンテンセンターWEST WING 1階にある 「Cafeteria / Decoカフェ」 が中心です。ゲレンデに近く、滑走の合間に立ち寄りやすい立地で、しっかり食事をしたい時にも、軽く休憩したい時にも利用できます。
カフェテリアでは、会津名物山塩ラーメンやカレー、丼物など、寒いゲレンデで体を動かした後に嬉しい定番メニューを提供。しっかりエネルギー補給をしたい方に向いています。併設の「Decoカフェ」では、ドリンクを中心に、休憩や待ち合わせにも使いやすいカフェスペースが用意されています。
営業期間は冬季シーズン中を通して営業。
- Cafeteria:10:30~15:00(フード提供は平日14:00まで、休日14:30まで)
- Decoカフェ:10:00~15:00
(写真引用:公式HP https://resort.en-hotel.com/grandeco/snow/ja/より)
スポット詳細
スポット名:グランデコスノーリゾート
住所:〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山1082
周辺のおすすめ旅館:LAKE SIDE HOTEL MINATOYA
3.会津高原だいくらスキー場

福島県南会津町にある 会津高原だいくらスキー場 は、ファミリーから中級・上級者まで幅広く楽しめるゲレンデが魅力のスキー場です。自然の地形を活かしたコースはゆったりとした雰囲気で、初めての方や子ども連れでも安心して滑れるのが特長です。
だいくらのコース数はおよそ10〜12本程度。長さや斜度の異なるラインナップで、緩やかな初心者コースから適度なスピード感を楽しめる中級者向けまでバランスよく揃っています。最長滑走距離は約1,500〜2,000メートルほどあり、気持ちよく滑り降りることができます。

ゲレンデは標高差が適度で、急斜面と緩斜面の組み合わせが滑りやすい設計。初めて雪山を訪れる方にも親しみやすく、技術に合わせて滑り分けられるのが魅力です。人工雪ではなく天然の雪質を活かしたフィールドで、パウダースノーの日も期待できます。

雪遊びができるキッズパークやそり遊びエリアもあり、小さな子ども連れでも一日楽しめる環境です。家族でゆったり過ごしながら、雪山初心者が自分のペースでスキーデビューするにもぴったりのスキー場と言えるでしょう。
施設面では、センターハウスをはじめロッジ内に売店やおみやげコーナー、コインロッカー、食事ができる休憩スペースが完備。レストランでは、会津の名物ラーメンやカレーなどを楽しむことができます。また、レンタルはスキー・スノーボード用具やウェアも用意されているため、必要な装備を当日現地で揃えることも可能です(※小物類は売店購入となります)。
駐車場は約2,000台分の無料スペースが用意されているため、マイカー利用でも安心です。また、最寄りの会津田島駅からは路線バスやタクシーでアクセス可能。ゲレンデ入口から施設までは徒歩圏内で、移動の負担も少なく済みます。
初めての方も安心なのんびりした空気感と、バリエーション豊かなコースが魅力です。
(写真引用:公式HP https://daikura.net/より)
スポット詳細
スポット名:会津高原だいくらスキー場
住所:〒967-0026 福島県南会津郡南会津町針生字昼滝山857-150
周辺のおすすめ旅館:まごころの宿 星乃井
4.会津高原南郷スキー場

会津高原南郷スキー場は、南会津の山あいに広がる、落ち着いた雰囲気が魅力のスキー場です。大規模リゾートのような賑わいとは少し距離を置き、ゆったりと雪山を楽しみたい人に向いた場所として親しまれています。
ゲレンデは全体的に緩やかな斜面が多く、初級者やファミリーでも安心して滑れる構成です。スキーやスノーボードを始めたばかりの方や、久しぶりに雪山に立つという方でも、自分のペースで楽しめるのが南郷スキー場の良さ。急斜面が少ないため、周囲の景色を眺めながら滑る余裕も生まれます。

コースは林間を抜けるラインと、視界が開けたバーンがバランスよく配置されており、森に囲まれた雪景色の中を滑る感覚は、このエリアならでは。派手さはないものの、静かな自然と向き合いながら滑る時間は、どこか贅沢にも感じられます。
リフト待ちのストレスが比較的少ない点も、このスキー場の魅力のひとつ。混雑を避けて、滑走そのものを楽しみたい人にとっては、心地よい環境と言えるでしょう。家族連れ向けの雪遊びエリアもあり、スキーだけでなくそり遊びなどで雪に親しむこともできます。

南郷スキー場のゲレンデ中央に位置する レストハウス(センターハウス) は、滑走の合間に立ち寄りやすいメイン施設です。館内にはレストランをはじめ、インフォメーション、救護室、レンタル、コインロッカー、トイレ、自動販売機などが集約されており、初めて訪れる方でも安心して利用できます。
レストランでは、ここでしか味わえないオリジナルメニューが揃っているのが特徴。
名物の「とまとオムとまと」をはじめ、「とまとチーズらーめん」「とまとソースカツ丼」など、トマトを使った個性的な料理が人気です。しっかり食べたい方には、「ハーフパイプカツカレー」や「煮込みカツ丼」、数量限定の「特製カレーライス」も用意されています。
「南郷トマト」は福島を誇る絶品フルーツです。
周辺には宿泊施設や温泉地も点在しており、スキーとあわせて会津の冬を楽しむ旅にもおすすめです。派手さよりも、穏やかな雪山時間を大切にしたい人にとって、南郷スキー場はちょうどいい選択肢になるでしょう。
(写真引用:公式HP https://www.nango-ski.com/より)
スポット詳細
スポット名:会津高原南郷スキー場
住所:〒967-0631 福島県南会津郡南会津町界字湯の入293
周辺のおすすめ旅館:温泉湯宿 にしきや
5.会津高原たかつえスキー場

会津高原たかつえスキー場は、福島県南会津町の山あいに広がるビッグゲレンデです。標高1,650mの山頂から麓まで滑り降りる長いコースは、全長およそ5,000mにも及び、大きな山の地形を活かしたダイナミックな滑走が楽しめます。
このスキー場の魅力は、幅広いレベルのコースがバランスよく揃っていること。緩やかな初心者コースから、中級・上級者向けの斜面までありますが、どのラインも雪質の良さが感じられ、滑るたびに会津らしいパウダースノーを実感できます。中・上級者にはロングクルージングや変化のある斜面が、初心者には安心して滑れる広いバーンが、それぞれ嬉しい選択肢です。

さらに、ゲレンデ内の複数の場所にレストランやカフェが点在しており、滑走スタイルや滞在場所に合わせて食事を楽しむことができます。しっかり食べたい時も、滑りの合間にひと休みしたい時も、選択肢があるのはうれしいポイントです。今回はおすすめの食事スポットを2つご紹介。
カフェテリア「ハイランド」

ゲレンデ中腹に位置する「ハイランド」は、中・上級者の滑走拠点として利用しやすいカフェレストランです。260席と席数も多く、混雑時でも比較的利用しやすいのが特徴。
営業時間は9:00〜15:00で、午前中の早い時間から利用できます。
レストラン「オーロラ」

スキーセンタースペーシア内にある「オーロラ」は、たかつえスキー場のメインレストランです。330席とゲレンデ内でも最大規模を誇り、待ち合わせや休憩にも便利な存在。
営業時間は8:30〜16:00と長く、朝早くから滑る人にも対応しています。

また、キッズパークやソリ・雪遊びのエリアもあり、ファミリーでの利用にも対応。初めて雪に触れる子どもも、ゲレンデを満喫できます。食事はゲレンデ内のレストランで取ることができ、滑走と休憩をバランス良く楽しむことが可能です。温かい食事や軽食で身体を休めながら、また午後の滑りに備えることができます。
お子さま連れのご家庭も安心して利用できます。
アクセスは、会津高原尾瀬口駅からバスやタクシーで約30分程度。車でも東北自動車道やアクセス道路を使って訪れることができ、郡山方面や首都圏からのアクセスも比較的良好です。
(写真引用:公式HP http://takatsue.jp/より)
スポット詳細
スポット名:会津高原たかつえスキー場
住所:〒967-0315 福島県南会津郡南会津町高杖原535
周辺のおすすめ旅館:藤龍館
6.スノーパーク

スキーやスノーボードだけでなく、「雪そのものを楽しみたい」という方におすすめなのが、芦ノ牧温泉エリアで開催されるスノーパーク体験です。
【2026 芦ノ牧温泉×スノーパークで遊ぼう!!】は、大人も子どもも一緒になって雪遊びを満喫できる期間限定のアクティビティ。開催期間は2026年1月20日〜2月28日までとなっており、冬の会津を気軽に楽しみたい方にぴったりです。

会場には、ソリやチューブ滑りなど、雪に慣れていない方でも安心して楽しめる遊具が揃っており、童心に返って自由に雪遊びを満喫できます。さらに、迫力満点のスノーモービル・タンデム体験も用意されており、雪原を駆け抜ける爽快感を間近で体感できるのも大きな魅力です。
体験時間は10:00〜15:00の間で、所要時間は約2時間。料金には貸出遊具の利用料金が含まれているため、手ぶら感覚で参加できるのも嬉しいポイントです。
1予約あたり1名から参加可能なので、家族連れはもちろん、友人同士やカップル、ひとり旅でも気軽に利用できます。

参加の際は、防寒着や長靴、手袋など、雪で濡れても問題のない服装で訪れるのがおすすめ。芦ノ牧温泉の温泉宿と組み合わせれば、雪遊びの後に温泉でゆったりと体を温める、冬ならではの贅沢な時間を過ごせます。
スポット詳細
スポット名:スノーパーク
住所:〒969-5147 福島県会津若松市大戸町芦牧戸草平
周辺のおすすめ旅館:不動館 小谷の湯
まとめ

会津エリアのスキー場は、それぞれに異なる個性を持ちながらも、「雪の質の良さ」と「人の温かさ」、そして「無理のない楽しみ方」が共通しています。大規模リゾートでダイナミックな滑走を楽しむことも、家族や初心者が安心して雪に親しむことも、このエリアなら自然に叶います。
また、ゲレンデ内の食事や休憩施設、レンタルやアクセス環境も整っており、スキーやスノーボードが初めての方、海外から訪れる方でも安心して滞在できるのも会津の魅力です。滑る時間だけでなく、食事や温泉、周辺観光まで含めて楽しめるのが、日本のスキー体験としての完成度を高めています。
雪を滑るだけで終わらない、冬の旅。
自然、文化、そして人の暮らしが息づく会津で、自分のペースで楽しむスキー体験は、きっと日本の冬を特別なものにしてくれるはずです。