霧幻峡と只見線撮影スポット
日本の原風景にタイムスリップしたような特別な体験
紅葉に染まる、水と色彩の世界
エメラルドグリーンやコバルトブルー、赤茶色など…湖面がさまざまな色に輝く「五色沼」は、福島県北西部の裏磐梯エリアにある神秘的な湖沼群です。五色沼は、1888年(明治21年)に起きた磐梯山の水蒸気爆発による噴火がきっかけで誕生しました。この噴火により山体が崩壊し、岩なだれが川をせき止めたことで、この地域に数百もの湖沼が形成されたのです。そのカラフルな光景から「五色沼」と呼ばれ、裏磐梯を代表する景勝地として知られています。
五色沼の中でも有名なのは毘沙門沼や弁天沼です。名前に「五色」とありますが、実際には五つの沼があるわけではなく、湖沼ごとにエメラルドグリーンやコバルトブルー、赤茶色など見える色が異なることに由来しています。水中の火山由来の鉱物成分や季節・天候・光の角度によって水の色が変化し、訪れるたびに違った表情を見せるため、「何度でも訪れたい」と感じるでしょう。

その神秘的な景観が評価され、2016年には旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド』で「季節と共に移り変わる大自然を堪能できるオールシーズン楽しめる魅惑のトレッキングスポット」として一つ星にも認定されました。
毘沙門沼の奥に磐梯山を望む絶景は、裏磐梯を代表する光景の一つです。五色沼の中で最も大きく、コバルトブルーの湖面が美しい絶景スポットです。ここでは手漕ぎボートの貸し出しがあり、水上から景色を楽しめます。この沼には、真っ白なおなかに赤いハートの模様を持つ鯉がいると言われており、これを見つけると「恋が成就する」という伝説があります。
五色沼で最も神秘的だと言われているのは「瑠璃沼」です。湖面が瑠璃色に輝き、見る場所によってその色を変えます。また、「青沼」はその名の通り美しいコバルトブルーの沼で、神秘的な雰囲気を堪能できます。
全長4kmの自然探勝路を歩けば、湖沼がそれぞれの色彩で輝く景色に感動するでしょう。ルートは高低差がほとんどなく整備されており、初心者や小さな子ども連れでも気軽にトレッキングを楽しめます。 この一帯は国立公園内の「特別保護地区」に指定されており、動植物の一切の採集が禁止されているのでルールを守って歩きましょう。所要時間は約1時間半ほど。森に囲まれた静かな道を野鳥のさえずりに耳を傾けながらゆっくり散策すれば、心身ともにリフレッシュできるはずです。
コースの東側入口(毘沙門沼側)から歩き始めると、最初に現れるのが五色沼でもっとも大きい毘沙門沼です。磐梯山を背景にコバルトグリーンの湖面が広がる絶景で、湖上では手漕ぎボート遊覧も楽しめます。
レストラン五色沼
五色沼にある看板
五色沼の紅葉
五色沼
五色沼をボートで漕ぐ
五色沼
車で訪れた場合は、東西どちらか片方の駐車場に車を停めてからバスで路線バスを利用して逆の入り口まで行き、徒歩で戻ってくる片側散策がおすすめです。
五色沼自然探勝路は平坦で歩きやすい道が続くため、自然を感じながらマイペースに歩けます。ぜひ、時間帯や季節を変えて何度でも歩いてみてください。早朝に散策を開始すれば神秘的な朝もやに出会えることもあり、澄んだ空気と静けさの中で湖沼群を独り占めできます。途中に設置されたベンチに腰掛け、水面を渡る風や鳥の声に耳を澄ませば、裏磐梯の大自然を肌で感じながらゆったりと過ごせるでしょう。
4月でも残雪が残ることがあり、桜の見頃は4月下旬から5月上旬にかけて。ちょうどゴールデンウィーク期間中に桜をみながらの散策を楽しめます。
夏は涼やかな木陰のトンネルの中、爽やかなハイキングが楽しめます。特に5月~6月の初夏は木々の緑が芽吹き、湖面に映る景色も生命力にあふれています。木陰が多くあるので、8月でも平均気温が20度と比較的快適に歩けます。
秋はなんといっても紅葉が主役です。例年10月下旬から11月上旬にかけてカエデやカラマツなどが色づき始め、湖畔の木々が赤や黄に染まります。桧原湖観光船は例年11月上旬まで運行しているので、湖の上から紅葉に彩られた素晴らしい景色を堪能できます。この時期は特に混雑するため、早朝に訪れるのがおすすめです。
冬は辺り一面が銀世界となり、スノーシューを履いて静寂な雪景色の五色沼を巡ることもできます。遊歩道は1m以上の積雪で埋もれてしまうので、現地ガイド付きのスノーシューツアーに参加すると安全です。


営業時間:営業時間・定休日: なし(常時開放)
料金: 無料
住所:〒966-0501 福島県耶麻郡北塩原村檜原剣ケ峯
交通アクセス:
休憩所