清水園
光と自然が織りなす幻想アート空間
光と自然が織りなす幻想アート空間
新潟県新発田市にある「東赤谷連続洞門」は、まるで古代神殿の回廊のような幻想的な景観を持つ、かつての鉱山専用鉄道の廃線跡を転用したスノーシェッドです。
もともとは赤谷鉱山で採掘された鉄鉱石などを輸送するための鉱山鉄道「日鉄鉱業赤谷鉱山専用線」の一部として1922年に建設されました。大正時代から戦中戦後を経て活躍した産業遺構は、現在では自動車道として使われながら、独特の美しさと歴史ロマンを併せ持つ観光スポットです。
コンクリート製の柱が連続する構造が神秘的で美しい景観を醸し出しているとして、フォトジェニックなスポットとして近年特に注目を集めています。
東赤谷連続洞門の最大の魅力は、「まるで神殿遺跡のような」その景観です。コンクリート製の柱が等間隔に並び、アーチ状の天井から差し込む光が時間や季節によって表情を変えます。新緑の春や紅葉の秋には、緑や金色の光が洞門内に差し込み、幻想的な写真を撮ることができます。
さらに、洞門内部は外の世界と隔絶されたような静けさと涼しさがあり、まるで異世界に迷い込んだような非日常体験ができます。洞門の天井に残る真っ黒な煤は、かつてここを蒸気機関車が走っていた証であり、産業の歴史を感じさせてくれます。
この専用線は、大正時代に敷設された後、不況で休業し「赤錆線」と呼ばれ、第二次世界大戦中の軍需の高まりで東赤谷まで延線・再開するなど、時代の波に翻弄された歴史的を持ちます。洞門を通り抜けた先には、かつての鉱山軌道の重要建築物であった、赤さびたトラス鉄橋「飯豊川橋梁」の廃橋が残されており、緑深い渓谷と相まってもの悲しくも美しいコントラストを見せています。
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柱の隙間から光が差し込む光景はとても幻想的です。
「インスタ映えするスポット」として若い旅行者の間で人気の東赤谷連続洞門は、構図や光の加減によってまるで映画のワンシーンのような写真が撮れます。特に人気なのは、柱越しに渓谷を背景に撮影するアングルや、光が差し込む瞬間を捉えたタイミングでの一枚です。また、柱の隙間から下を覗き込むと、鮮やかな青緑色やエメラルドグリーンの加治川(飯豊川)が流れる渓谷を見下ろすことができます。
連続洞門は現在、新潟県道335号の一部として利用されており、実際に車で通行することができます。4つある洞門のうち、距離の長い洞門などは道幅が狭いため、ところどころに信号による片側交互通行が設けられています。そのため、運転体験もスリル満点でまるで電車の運転手になったような体験ができます。
洞門を抜けた先には、鉄橋の遺構「飯豊川橋梁」や旧赤谷線の駅跡などが点在しており、「歴史探勝の道」としてサイクリングやハイキングを楽しむことも可能です。鉄道遺構や産業史に興味がある方にとってはたまらないスポットでしょう。

スポット名:東赤谷連続洞門(新潟県道335号滝谷上赤谷線)
営業時間・定休日:冬季(12月〜4月)通行止めあり
料金:無料(通行自由)
住所:新潟県新発田市滝谷
アクセス方法:日本海東北自動車道「聖籠新発田IC」より車で約40分
駐車場:なし ※路肩駐車可。ただし通行の妨げにならないよう注意が必要です。
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